◇目次◇
40代にして突然、夫(からす)は脳梗塞、
娘(むく)は受験して中学に入学したのに鬱病、
そして不登校、更には世にも不思議な
二重生活をしなければならくなった家族の
2年半の小説より奇怪な実話を
綴っていきます。
《目次》
本文の続きのほうへ、に目次も続きます![]()
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宿泊学習の当日は何となく嫌な予感に襲われながらも、いつものように寝起きの悪いむくを起こそうとした。
しかし「お腹が痛いから、宿泊学習は行けない」そう言ってむくは拒んだのである。
「できるだけ行ったほうがいいよ」と何度も言ったが、かもめの言葉には耳を貸さず、結局宿泊学習は欠席してしまったのである。
その頃はむくの精神状態はかなり悪かったのでかもめも、無理しても仕方がないかなとも思った。
だがこの旅行を欠席してしまうと通常授業に戻った時に、ただでさえ友人がいないむくは、宿泊学習等共通の話題が持てなくなり、更に学校へ行きにくくなるのではないかとも考えたがどうしょうもなかった。
そしてその予感は的中してしまったのである。
宿泊学習の後に通常授業に戻ってもむくは学校へは行こうとせず、約1週間学校を欠席してしまった。
その翌週はもしかしたら行くかもしれない?と多少は期待したのだが期待はむなしく、むくはやはり学校へ行こうとはしなかった。
学校へは始めのうち体調不良と伝えていたのだが、いつまでもそのままで通すけにはいかず、かもめは担任の先生には簡単に事情を話し、むくの今後について話し合う為に学校へ出かけた。
そして話し合いの結果、むくを無理に学校へ行かせる訳にもいかないので、暫くの間はまたむくを保健室へ通わせて様子を見る事になった。
それと共にむくの精神状態を良い方に向かわせなければいけないので、また新たに診療内科を探し始めた。
前回同様に子供の診察をしてくれて、その上女医さんでというとなかなか病院を探すのは大変だったが、パソコンで検索して実際に電話を掛けてみたら、これは?と思うような診療内科が見つかった。
そして約1週間後の6月中に診察の予約ができたので、「これでむくも元気になれるかも?」とかもめはほっとした。
予約当日に診療内科へ行ってみると前回の医院と比べて、かなりスペースが狭かったのでびっくりした。
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前回診察に行きながらキャンセルしてしまった診療内科は、先生がちょっと怖そうだったのと、次回からも待たされそうな感じがしたので、むくが「もう行く気がしない」と言い、春休み中に再度診察へ行く事はなかった。
だからむくは精神状態が良くならないまま(逆に悪くなっていたかもしれないが)、中2になって始業式を迎えた。
はたしてむくが新しいクラスに慣れるのか心配だったので、始業式へは一緒に登校してひとまず保険室へ行った。
そして保健室の先生方や学年主任の先生に挨拶をして、始業式の始まるのを待った。
「始業式にはやはり出た方がいいですか?」
むくが訪ねると
「式の時には一番後ろでもいいから並んで参加したほうが、教室にも行きやすいわよ」
そう学年主任の先生は言った。
だからむくはクラスメートが並んだ後、並び恐る恐る始業式の一番後ろに並び、参加した。
式の後は担任の先生に誘導されて何とか新しいクラスへ向かったので、正直いってかもめはほっとした。
それから約1ヶ月はむくに付き添って学校の近くまで登校して見送ってから家に戻る毎日が続いた。
その間は一応登校出来ていたが、恐らく鬱病が悪化していたのだろう、クラスの人を避けてなるべく関わらないようにしていた。
また休み時間でも一人机に向かい、何かに取り付かれでもしたように勉強ばかりしていたようだった。
それでも何とか通学はしていたが、5月に入ったある日、2年生の行事である宿泊学習の事前学習として、グループごとの討議が何回か行われたのだが、その時間にむくとクラスメートの一人との間でちょっとしたトラブルがあった。
グループで学習テーマを決める、討議の時にある一人が「何か意見を出して下さい」とむくを指名した。
しかし「わかりません」と答えたのが非協力的と思われたようで、「あなただけ意見を出していません。なんで出さないのですか?」と追求された。
その時のむくは今から考えれば、もう人と関わるのは難しい精神状態だったので、そう言われた事で学校へ行くのが怖くなってしまったのだ。
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